GMAC通信

更新日
2025.09.05

【GMAC通信】JGTOの未来を探る ~JGJA~

JGJAは3月のゴルフフェアで、毎回セミナーを実施している。今年のセミナーは女子ツアーに比べて人気がないと言われる男子ツアー(日本ゴルフツアー機構:JGTO)について、「JGTOの未来を探る~V字回復のヒント~」というテーマで開催した。セミナー登壇者はJGTO諸星裕会長と、ジャパンゴルフツアー選手会(JGTPC)阿久津未来也副会長(広報担当)、司会進行はJGJA小川朗会長が務めた。

諸星会長は昨年就任後、他の世界のツアー関係者と会った際に、「〝日本どうしていたのこの10年〟との言葉をもらい、日本ツアーの世界におけるプレゼンスが下がっており、賞金総額はUSツアー800億円、LIV400億円、日本32億円で、日本は変わらず、他がどんどん上がっている。ツアーが主催権・放送権をもっていないのは日本だけで、いろいろ模索していかなければならない」と述べた。

阿久津選手会副会長は選手の立場から「賞金額が2億円でも5000万円でも選手のやる気は変わりません。子供の時のイベントは心に残るので、プロゴルファーとして出来ることは地域の子供たちをゴルフ場に呼ぶことが一番早いと思います。地域の1年の行事として思い出に残る場所になることが理想。可能性しかないと思います」と語った。

セミナーは参加者からの質問、提案があり活発な議論が行われた。

今年の男子ツアーでも様々な取り組みが実施されている。4月開催の前澤杯では、10日間のプロアマの収益を賞金の一部にあてる経済の回る大会を目指し、ラウンドガールやスーパーカーの展示など新しい取り組みを実施していた。6月に宍戸ヒルズCCで開催の日本ゴルフツアー選手権では、地元笠間市と連携して、期間中の6月7日(土曜日)「笠間スポーツ&フードフェス」を大会で使用していない東コース1、2番で開催した。13時以降はゴルフ観戦入場を無料とし、9000名以上が来場、多くの家族づれが芝生の上で様々なイベントを楽しんでいた。また、夜には花火大会を実施して、ゴルフ場の芝生に座りながら子供たちが歓声をあげていた。

男子ツアーのV字回復の即効薬は直ぐには見つからないが、新しく挑戦することで男子ツアーの価値を高め、閉塞感を打破し、新しい価値を提供し続けることが回復の道筋をつけることになるのではないか。

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日本ゴルフジャーナリスト協会
副会長
嶋崎平人

この記事は月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年8月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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