- 更新日
- 2025.12.05
【GMAC通信】ゴルフ産業の未来を、ともに切り拓くために
日本のゴルフ市場では、長い間「業界の垣根を越えた連携」「若手の活性化」「ゴルフと健康の関連付け」が必要だと語られてきました。しかしながら、これらは議論こそされ続けているものの、残念ながらゴルフ業界外からの理解が十分に得られていないのが現状と感じています。私は、この度GMAC委員として機会を頂いた責任から、この課題を改めて提起し、タックルしていきたいと考えています。
まず「業界の垣根を越えた連携」についてです。私は学生時代にラグビーに打ち込んできました。その経験から痛感しているのは、「One for All, All for One」の精神こそが強い組織やコミュニティ、業界をつくるということです。ラグビーワールドカップ2019日本大会を機に、様々な立場の方が個人や組織、業界を越えて「ラグビーのために」を合言葉に産業を盛り上げる取組を行いました。その結果、日本代表の活躍も相まって日本におけるラグビー人気は一気に高まりました。ゴルフ産業においても、ゴルフ場、練習場、会員権業者、メーカー、メディアといった縦割りを超え、まさに一丸となって動くことが必要です。ゴルフ業界も「連携」をきっかけに潮目を変えていくことができると確信しています。
次に「若手の活性化」です。私は30代で、同世代の仲間や後輩たちの間でゴルフ人気が高まっていることを実感しています。SNSを通じた発信や新しいコミュニティづくりによって、若者にとってゴルフはこれまで以上に身近な存在になりつつあります。しかし同時に、業界を推進する立場で活躍する若手の数はまだまだ限られています。私自身がGMAC委員として若手にチャンスをいただいたことを一つの責任として受け止め、次の世代の人材育成や場づくりにつなげていきたいと思っています。
最後に「ゴルフと健康の関連付け」です。ゴルフは「健康に良い」と言われ続けてきました。自然の中で歩き、仲間と会話し、集中力を磨くことが健康に寄与することは皆様も実感しておられると思います。しかし、それを科学的データとして社会に示す取り組みは、まだ十分に進んでいません。ここには大きな伸びしろがあります。医療や研究機関と連携し、エビデンスを提示することで、ゴルフの社会的価値を高めることができると信じています。
これら三つのテーマは、長年語られながらも大きな進展を見せてこなかったものです。しかし私は、一人の「若い当事者」として、この状況を変えていきたいと強く思います。ゴルフは人と人をつなぎ、地域を活性化し、社会をより健やかにしていく可能性を持っています。その可能性を引き出すために業界全体で力を合わせ、未来を切り拓きたいと思います。
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株式会社セブンハンドレッド / 株式会社住地ゴルフ
代表取締役 小林忠広
この記事は月刊ゴルフ・エコノミック・ワールド(GEW)2025年11月号に掲載した記事をWeb用にアップしたものです。なお、記事内容は本誌掲載時のものであり、現況と異なる場合があります。
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